気になる米国のCM(8) Hardee’s/Carl’s Jr. 『Miss Turkey』

今回取上げるのは、アメリカのハンバーガーチェーン、ハーディーズ&カールズ・ジュニア(親会社が同じなので同じCMを流してます)の新製品、『ターキーバーガー』のCM。

(c) Hardee’s
商品としては500カロリー以下のヘルシーさを売りにしているらしいんですが、CM自体はそんなことはほとんど無視していて(笑)。
何が凄いって、もうバレバレ、というか確信犯、というか図々しい、というかここまでくれば大したもんだ、というか、のCMなんです。

以下、その映像とナレーションを簡単に解説します。
1)リゾート地のプールが舞台、そのプールサイドに真っ赤なドレスで頭にティアラを飾った女性がハンバーガーを持って登場。
 ナレーション 「この美味しい炭火焼ターキー(七面鳥)バーガーを覚えてもらいたくて、ミス・ターキーを起用しました」

2)女性が「Miss Turkey」のたすきをして片手に持ったハンバーガーをガブリ。
※実はこの女性、本物のミスユニバースのトルコ(英語ではターキー)代表!

3)するとそのミス・ターキーがドレスを脱ぎ、ビキニ姿に。(男の子の目を隠すお母さん、という細かい演出も)
 ナレ 「ミス・ターキーのことを覚えていてもらいたくて、ビキニになってもらいました」

4)ミス・ターキーがビキニ姿のまま歩きながらまたバーガーをガブリ。着ているビキニのアップ。
 ナレ 「ミス・ターキーのビキニを覚えていたもらいたくて、ビキニに小さな炭火焼ターキーバーガーの模様を入れました」

5)あっけにとられるプールサイドの人たちを振り向いてポーズをとるミス・ターキー。
 ナレ 「まあ、そういうこと。(That’s just the way it is)」

6)バーガーの商品カット
 ナレ 「500カロリー以下の新しい炭火焼ターキーバーガー、ハーディーズから。」
・・・このハーディーズ&カールズ・ジュニア、以前あのパリス・ヒルトンを起用したセクシーすぎる洗車シーンのCM(youtube=http://www.youtube.com/watch?v=12t2z_G3Npg 確かオンエア禁止になった)で物議を醸した企業なのですが、全く悪びれることなく、というよりそれを逆手に取ったこの戦略。しかもその判りやす過ぎる映像の狙いをわざわざナレーションで言ってしまうという確信犯。大したもんです。
商品自体が雑誌『Men’s Health』の”Eat This, Not That!”(それじゃなくってこれを食べろ! http://eatthis.menshealth.com/home)との企画で開発されたものなので、カロリーを気にする中年男性がターゲットなのでしょうが、でもここまで徹底して割り切るのはすごい。

お店に家族連れとかが来なくなってもいいの?とか勝手に心配したりしてますが、このCMが流れ始めたのが3月中旬、相変わらずテレビで流れているので、きっと目論見通りなのかも知れません。アメリカは懐が深い。(笑)

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気になる米国CM(7) Toyota Corolla 『Dream Harmonic – Corolla + Miku』

米国カローラのCMに、何とあの初音ミクが登場しました。タイトルは 『Dream Harmonic – Corolla + Miku』。http://www.toyota.com/corollamiku/

2011年版の新しいカローラの登場を、初音ミクがそれでコンサート会場に乗りつけ、アメリカの観客の熱狂的な歓迎の中で歌う、というストーリーなのですが、何が凄いか、って:

1)初音ミク:GEEK(オタク)以外にはほぼ知られていないキャラを、大衆向けの車であるカローラに起用した

2)歌:初音ミク、日本語で歌ってる
・・・ということで、こんな展開アメリカでありなのか?と思わせるCMなのですが、実は私がこちら(米国)で普通に見ているテレビでは見たことがありません。
つまり、そのあたりに敏感なターゲットに対してのテスト的な意味で展開しているモノではないかと。

いずれにしろ、これがどこまで米国内で話題になるのか、ちょっと注目、です。

※ちなみに5月10日現在、この動画のYouTubeサイトの視聴は70万を超えています。しかも以下の通り北京語・広東語・韓国語・ベトナム語バージョンまであるのに気がつきました。アジアもこのターゲットにていることがわかり、逆に日本語版がないのがある意味かなり意図的ですね。

・Mandarin — http://www.youtube.com/watch?v=5qYFnKF9WXg
・Cantonese — http://www.youtube.com/watch?v=U7s9-hXpvxk
・Korean — http://www.youtube.com/watch?v=FzxvPG4c_2k
・Vietnamese — http://www.youtube.com/watch?v=D9GeeFEjV98

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好きな米国の広告(6) Taco Bell 『Thank you for suing us』

メキシカン・ファーストフードチェーンのTaco Bellが、その牛肉に(自社で公表している以上の)混ぜ物を使ってるんではないか、とこの1月に訴えられていたのですが、その弁護事務所が昨日訴えを取り下げた、というニュースがこちらで流れてます。

今回の件で、たぶん今後のマーケティング業界で伝説となっていくであろうことが起こりました。

それが訴えを受けたTaco Bellが全米主要新聞で展開したこの全面広告、『Thank you for suing us (訴えてくれてありがとう)』。

そこには、(自社ウェブなどで公表している通り)88%が牛肉で残りの12%が「秘密のレシピ」、その秘密のレシピのうちX%が何々で・・・、と書かれています。

また、Taco Bellの社長がYouTubeなどの動画でも自ら説明しています。

この、ヘタすれば大変な危機になったことを鮮やかに逆手に取ったマーケティング手法、まさにお見事!の一言でした。

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好きな日本のCM(緊急番外編その2) JR東日本『つなげよう、日本。』

JR東日本が最近流し始めたCM、『つなげよう、日本。』

吉永小百合さん(たぶん)のナレーションで、

「一日も早く、レールをつなぐ。
 つながればきっと誰かの力になる。」

その後を受けて男性ナレーターが
「一日も早く、東北新幹線 全線運転再開へ。」
「つながろう」ではなく「つなげよう」、というところに、震災からの一日も早い復興のために、人やモノをつなげるのだ、という自分たちの使命をあらためて宣言している、骨太なCMです。
※うまく接続できないんですが、JR東日本の以下のサイトで30秒篇も。
https://www.jreast.co.jp/tabidoki/tvcm/index.html?code=tsunageyou01

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好きな日本のCM(緊急番外編) サントリー 『上を向いて歩こう』&『見上げてごらん夜の星を』

いつものアメリカのCMの紹介ではなく、番外編としてサントリーが最近流し始めたCMを。

すでに多くの方がテレビで見ているかと思いますが、東日本大震災後にサントリーが制作した広告です。(この動画はYouTubeに投稿されていた『上を向いて歩こうA』篇 30秒です)

企業サイトのCMのコーナーには、その意図がこのように書かれています。
http://www.suntory.co.jp/enjoy/movie/d_s/880953901001.html?fromid=movt_corp
*********
3月11日の東日本大震災後、日本が明日に向かって前進するためにサントリーグループとして何かメッセージをお届けすることはできないか。

そこで、弊社の広告宣伝にご登場いただいている方々のご協力をいただき、希望の歌のバトンリレーを行うことで、少しでもたくさんの人の気持ちに絆の和を広げていくことが出来ればと考えました。

日本中で幅広く愛されている名曲『上を向いて歩こう』『見上げてごらん夜の星を』の2曲を、ご厚意で参加いただいた総勢71名の皆さん一人一人が、心を込めて歌い上げてくださいました。
*********
CMは、各自がスタジオでマイクを前に歌っている姿を映しているだけのシンプルなもので、バージョンもそれぞれの曲に対して60秒版をひとつ、30秒版を3つ作っているのですが(ただし60秒版も例えば『上を向いて歩こうA』篇、とされているので今後バージョンがもっと増えるような期待があります)、全て編集が違って、出てくる人もそれぞれこんな豪華なメンツです:
・『上を向いて歩こうA』篇 60秒: 和田アキ子/近藤真彦/竹内結子/富司純子/檀れい/本木雅弘/小栗旬/ベッキー/堺正章/宮沢りえ/岡田将生/松田聖子
 http://www.suntory.co.jp/enjoy/movie/d_s/880953901001.html

・『上を向いて歩こうA』篇 30秒: 三浦友和/高島彩/小林克也/堀北真希/近藤真彦
 http://www.suntory.co.jp/enjoy/movie/d_s/880896028001.html

・『上を向いて歩こうB』篇 30秒: 竹内結子/高橋克実/榮倉奈々/小栗旬/大森南朋
 http://www.suntory.co.jp/enjoy/movie/d_s/880896027001.html

・『上を向いて歩こうC』篇 30秒: 大滝秀治/本木雅弘/ベッキー/加藤茶・仲本工事/堺正章
 http://www.suntory.co.jp/enjoy/movie/d_s/880953905001.html

・『見上げてごらん夜の星をA』篇 60秒: 矢沢永吉/宮沢りえ/萩原健一/ベッキー/近藤真彦/小雪/堺正章/三浦友和/本木雅弘/松平健/檀れい/永瀬正敏
 http://www.suntory.co.jp/enjoy/movie/d_s/880953903001.html

・『見上げてごらん夜の星をA』篇 30秒: 榮倉奈々/檀れい/堀北真希/竹内結子/小雪
 http://www.suntory.co.jp/enjoy/movie/d_s/880953904001.html

・『見上げてごらん夜の星をB』篇 30秒: 和田アキ子/ベッキー/テリー伊藤/本木雅弘/宮沢りえ
 http://www.suntory.co.jp/enjoy/movie/d_s/880896029001.html

・『見上げてごらん夜の星をC』篇 30秒: 水前寺清子/三浦雄一郎・左右田一平/浜美枝・村田兆治/仲本工事/加藤茶/堺正章
 http://www.suntory.co.jp/enjoy/movie/d_s/880953902001.html

アイディアは、きっとトミー・リー・ジョーンズが出演していたBOSSの『とある老人』篇、大滝秀治さんとの共演での、「ただ…、この惑星の住人はなぜか上を向くだけで元気になれる」というときに流れている坂本九の『上を向いて歩こう』から来ているんだと思うのですが、ここまで見事に昇華するとは。
http://www.youtube.com/watch?v=NL7OLZK7vug
もちろん、震災後にこれだけの機動力でこれだけの人たちを集めて日本のみんなを力づけるためのCMを作ったというのもさることながら(&それをたぶん即断即決で了承した首脳陣も素晴しい!)、もともとサントリーという企業の広告に出ていた人たちの人選が素晴しかったからこそできることでもあり、その眼力の凄さがこういう形でも出てくるのだな、とも。
そして何より、「広告の持つ力」というものの凄さと素晴しさを、このタイミングだからこその(自粛とか、必要以上の押し付けがましい謙虚さとかではなく)骨太な企画で、こんなにも見事に、あらためて見せ付けてもらえたのが涙が出るほど嬉しかったです。ブラボー、サントリー!!
・・・しかしこの「総計71名」とは以下の人たちなんですが、トミー・リー・ジョーンズとか、ミッチーとか、坂本龍一とか、まだまだ見たい人が盛りだくさんです。うーん、何という贅沢!
石井正則
石原さとみ
榮倉奈々
及川光博
大滝秀治
大塚寧々
大森南朋
岡田将生
小木博明(おぎやはぎ)
小栗旬
加藤茶
鎌倉道彦(コンドルズ)
カンニング竹山
北山陽一(ゴスペラーズ)
桐島かれん
桐谷健太
黒沢薫(ゴスペラーズ)
高良健吾
小林克也
小雪
近藤真彦
近藤良平(コンドルズ)
堺正章
酒井雄二(ゴスペラーズ)
坂本龍一
佐々木希
佐藤健
水前寺清子
左右田一平
高島彩
高橋克実
竹内結子
檀れい
蝶野正洋
鶴田真由
テリー伊藤
トミー・リー・ジョーンズ
永瀬正敏
仲里依紗
中村獅童
仲本工事
袴田吉彦
萩原健一
浜美枝
富司純子
藤田善宏(コンドルズ)
ベッキー
堀北真希
マギー司郎
松平健
松田翔太
松田聖子
三浦友和
三浦雄一郎
光浦靖子
宮沢りえ
三吉彩花
ムッシュかまやつ
村田兆治
村上てつや(ゴスペラーズ)
本木雅弘
やくみつる
八嶋智人
安岡優(ゴスペラーズ)
矢作兼(おぎやはぎ)
山崎樹範
吉高由里子
吉永淳
矢沢永吉
笠浩二
和田アキ子

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好きな米国のCM(4) Simply Orange 『Plant Tour』

今回のCMはオレンジジュースのブランド『Simply Orange(シンプリー・オレンジ)』のCM、「Plant Tour(工場見学)」。
※「Plant」には、「工場」という意味と「植物」という両方の意味があります。

構成もとてもシンプルで、それぞれのカット別の映像に男性のナレーションが重なっていきます。

1)映像: 屋外での商品カット
  ナレーション: 「ようこそ、シンプリー・オレンジのツアーへ。」

2)映像: オレンジがたわわに実った果樹の全景
  ナレ: 「これが、私たちのプラント(工場・樹木)です。」

3)映像: 実っているオレンジのクローズショット
  ナレ: 「これが、私たちの労働者です。」

4)映像: さんさんと輝く太陽
  ナレ: 「これが、私たちの経営陣です。」

5)映像: 再びオレンジのクローズショット
  ナレ: 「ここでお気づきいただけるのは、冷凍ものや香料、濃縮といったもののないまま、最終製品に仕上がっていくということ。」

6)映像: 屋外での商品カット
  ナレ: 「シンプリー・オレンジ。誠実なまでにシンプル。」

7)映像: 夜の果樹園を背景に、フクロウが振り向く
  ナレ: 「これは私たちの警備員です。」

・・・と、奇をてらうこともなく、トリックも、ビックリも、おバカな笑いもない、本当にシンプルな作りのCMなんですが。

逆に、これだけシンプルな構成でシンプルな映像・ナレーションで真っ向勝負しているからこそ、その商品に対する絶対の自信と、それを伝えたいんだ、という強い意志を感じたのでした。

いつもいつも、何とかその商品の良さをうまく演出してコミュニケーションしよう、話題になるようなCMにしよう、とばかり考えてしまっている広告の世界で、この潔さが逆に強く心に残り、そのブランドに対するイメージと商品の特徴をしっかり、骨太に伝えているという作品。

思わず背筋が伸びました。

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好きな米国のCM(3) Subaru 『Baby Driver』

期せずして日本の車メーカーのCMが続きます。

今回のご紹介はアメリカ・スバルのブランド広告、『Baby Driver』
昨年の8月からオンエアされているものだったようですが、最近また流れていて気がつきました。

車(スバル・レガシー)の運転席に座っている小さな女の子に、お父さんが「シートベルトはちゃんとした?」とか「運転中はメールを打ったりしてはいけないよ」とかの注意を助手席側の窓(車の外)から諭すように話しています。

女の子が、「Daddy, OK.(お父さん、大丈夫。)」と言い、お父さんが車の鍵を彼女に渡すと・・・

娘を持つ父親としても、心を打たれる、素敵なCMです。

アメリカ・スバルのサイトの、このCMのこぼれ話(英語)によると、ここで父親役をやっているAndy Lyonsさんは実際に二人の娘さんを持つ父親だそうで、CMの監督も彼に対して「実際にこういう状況になった時にどんなことをいうか」ということをCM中で話して欲しい、と要求したそうな。

アメリカの運輸大臣(U.S. Secretary of Transportation)のRay LaHood氏もこのCMを絶賛したそうですが、そりゃそうですよ、ね。

ちなみに制作を担当したのはミネアポリスにあるCarmichael Lynchという、決して大手ではない広告会社です。それもまた、素敵。

そういえば、最近発表されたアメリカの有名な商品レビューの雑誌「Consumer Report」のメーカー別の車の評価(英語)で、スバルはホンダに次いで2位(昨年は同率1位)、とかなり高い位置にありますが、その裏づけがあるからこのCMがますます輝くのでしょうね。
※上記記事の日本語での話題は『アメリカ情報局』さんのブログにあります。

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気になる米国CM(2) LEXUS RX 『There’s Only One Original』

今回のCMは、好き、というより気になったものなのでちょっとタイトルも変更(笑)

商品はレクサス・アメリカのCUV(クロスオーバー・ユーティリティー・ビークル)カテゴリー、RXという車の新型登場のCM、『There’s Only One Original』。

ナレーターが言っているメッセージは

「他がimitate(真似しよう)としている中、我々は常にinnovate(創出)している」

という、ものすごくオーソドックスなものなのですが、映像が巨大なコピーマシンに置かれたLEXUX RXがスキャンされると、その下から出てくるCUVはBMWやベンツやAudi、という「ど直球」のCM。

これはもしかすると、新規ユーザー向けというよりも、Lexusの現オーナー達に「そうそう、我々はこのオリジナリティが好きなんだ!」という満足感を与えるためか?
いずれにしろ、日本では考えもしないだろうアイディア、ということでご紹介。

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好きな米国のCM(1) UPS 『We love logistics』

スーパーボールの時だけじゃなく、アメリカで日常に流れているCMの中でこれはなかなか、と思うものがあるので、都度紹介していくことにします。

というか、これを紹介したいなあ、と思って始めることにしたんですが(笑)、第1回は運輸会社、UPSの『We Love Logistics』

世界的な物流会社、UPSの企業広告なんですが、彼らの『Logistics(物流)』に対する考え方と想いと愛情がその映像と歌詞に込められています。

しかも、それをNadia Ackermanというオーストラリア出身の女性シンガーのとても気持ちの良い、軽い感じの歌で仕上げることにより、よく企業広告にある押し付けがましさをなくし、なおかつ「我々にとってはこれがスタンダードなんだよ」とさらっと言ってのけることでその能力の高さを感じさせるものになっています。

何度見ても楽しいし、この企業の考え方のファンになってしまいました。
ちなみに制作を担当した広告会社はオグルビー&メイザーとのこと。

以下、その英語の歌詞をつたない和訳とともに(笑)

When it’s planes in the sky
For a chain of supply
That’s logistics

When the pipes for the line
Come precisely on time
That’s logistics

A continuous link
That is always in sync
That’s logistics

Carbon footprint’s reduced
Bottom line gets a boost
That’s logistics

With new ways to compete
There will be cheers on Wall Street
That’s logistics

When technology knows
Right where everything goes
That’s logistics

Bells will ring, ring-a-ding
Ring-a-ding ring-a-ding
That’s logistics

There will be no more stress
Cause you called UPS
That’s logistics

飛行機がサプライチェーンのために空にいる時
それがロジスティックス

つなげるためのパイプが時間通りに着いたとき
それがロジスティックス

常にシンクロしている切れ目のないリンク
それがロジスティックス

二酸化炭素の削減、企業利益の向上
それがロジスティックス

新しい競争の方法がウォールストリートにも歓迎される
それがロジスティックス

技術によって、それぞれのものがどこに行くのかを瞬時にして把握する
それがロジスティックス

(配達の時)ベルをリン、リンリンと鳴らす
それがロジスティックス

あなたがUPSを選んでくれたからもうストレスとはさよなら
それがロジスティックス

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第45回スーパーボウル:今回のCMの出来は?

去る2月6日の夜、アメリカで第45回スーパーボールが行われました。

今までは結果や流れたCMを事後に見ていたんですが、今年はアメリカにいるため、初めてライブで(もちろんテレビで)見ることができました。

1ヶ月前くらいからもうメディアもみんなもそわそわしてきてて、今回放映するFOXだけでなく各局がこのことを話題にし、またその夜は家での観戦が多い、ということからスーパーや宅配のお店など、チラシにもそのことを意識しているものが沢山。
面白いのは、公式スポンサーしか「スーパーボール」という言葉を使えないんですが、その代わりみんな「Big Game」という言い方をしていて、それがもちろん一般消費者には何を意味するかわかるので特に支障はない、ということ。
SuperBowl45_チラシ

さて今回のスーパーボウルは視聴者総数の1億6290万人、平均視聴率46.0%で平均視聴者数の1億1100万人ともに史上最多、ということでしたが、このスーパーボールは毎回面白いCMが流れることでも有名です。

今回のCM枠は、30秒CM1本で300万ドル、約2億5000万円と世界一高額なものです。30秒ベースでの千人あたりの到達コストは
2.5億円÷1.11億人×1000=2252円。

これに対して日本のゴールデンタイムの番組提供料金をざっくり月額30秒で2000万円(=1回当たり500万)、平均視聴率10%とすると(本当は世帯視聴率ですがざっくりそれを人口に当てはめて)
500万円÷(1.2億人×0.1)×1000=416.7円、と、単純な効率からすると日本とは比べ物にならない額なのがわかります。

ただしこの番組に流れるCMは面白い、ということでみんなが注目&ネット等で話題にするので、絶対額や単純な効率を別にすればメディアとしてはかなり魅力的なものとなります。

そこで流れたCMに関し、色々な事後評価がありますが、その中でも最も有名なもののひとつがUSAトゥデイが行うAd Meterです。それぞれのCMが流れた際の視聴者の注目度を秒単位で測るもの、だそうで。

その結果、全61CM(FOXの番宣を除く)のランキングとそれぞれの作品を見ることができるサイトがこちらです。

今回のトップは、同率首位でバドライトの留守番中に犬にパーティーの手伝いをさせる作品と、チップスのドリトスのバグ犬、とダブルわんこの作品となりました。

ただ、私が実際に今回のゲームの合間に流れるCMを見ていて思ったのは、「確かに面白くユーモアのある、笑わせる・話題になる事を狙った『作品』が多いけど、肝心の商品名やそのベネフィット、差別化のポイントとかをちゃんと組み込んでいる『広告』が少ないんじゃない?」ということでした。
厳しい言い方をすると、視聴者を楽しませることに主眼を置きすぎたものが(特に大手広告主のものに)多く、単に『各企業がスポンサーした(&ブランド名や商品がちょっと入った)映像作品お披露目大会』というイメージが。

で、AdAgeの(この間引退した)コラムニストのBob Garfield氏が久々にスーパーボールのCMのコラム「VW Finds Viral Force With Cute Ad, but So What?」を書いていたのですが(英語)そこで書かれていたのは
「流れたCMは楽しく、ネットでも話題になり、例えばVWのダースベイダーキッズのCMはYouTubeで1000万回見られたようだが、ネットに書かれているのはCMの子供がカワイイ、とかVWのCMがよかった、というものばかりで、VWの何の車だったかを記しているものは皆無だった。VWはポジティブなアテンションを取ったが、残念ながらそれは車に対してのものではなかった」

・・・ということで、思わず私も自分の認識を認めてもらったような、テストでいい成績を取って先生に褒められた子供のような気持ちに(笑)

確かに「視聴者のブランドに対する好感度を上げることに注力したCM」と言えなくもないんですが、これらの大手がそのためだけに30秒で300万ドル、2.5億円も払ってるの?という気もしますし、何だか、「全米の半分以上の人が見ている、しかもそこで流れるCMをみんな楽しみにしている番組にうちの企業のCMを流して、ネットで話題になったぜ!」という関係者の自己満足が強いのでは、と邪推してしまいました(笑)

さて、その『広告』(『作品』ではなく)の中で私が好きだったものを以下にいくつか。(タイトル名は私が勝手につけたもので正式名称ではありません)

a) ドリトス 『パグ』 (USA TODAY調査同率1位)
 ・内容: 男性が、彼女の飼っているパグをからかおうと、「ほら、ここにドリトスがあるぞ!」と庭にいるパグに見せ、一目散に走ってくるとガラスのドアを閉めてしまいます。彼女が「からかうのは止めて」と言うのですが、言うことを聞かずに部屋の中から相変わらずドリトスを見せ続ける彼。パグが迫ってきて、さてどうなる?
 ・ポイント: スナック、という軽いカテゴリーの商品で、楽しみながら食べよう、ということを前提にし、まあ動物を使うのは赤ちゃんを使うのと同様ちょっとイージーじゃないの?と思いつつもとても楽しめて、そのくらい魅力的、という形で商品的なメッセージも記憶に残りました。

b) フォルクスワーゲン 『ビートル』 (USA TODAY調査12位)
 ・内容: 虫たちが動き回る世界で、ある虫がものすごいスピードで走っていきます。途中ムカデにぶつかりそうになるも見事にかわし、その後ジャンプして着地を決めると、その虫のシェイプだけが残って(それが車のシェイプに見えて)「新しいビートル、まもなく登場」のコピーが。
 ・ポイント: その独特の形状から根強い人気を持つVWのビートル、その名前の由来という原点に戻った発想。見ている側にもそのことを再認識させ、イメージの差別化を上手に醸成してます。

c) バドライト 『キッチンリフォーム』
 ・内容: リフォーム番組「JOB HACK」という設定で、リフォームが終わったキッチンを見に行く興奮気味のカップル。実際に変わったのはそのテーブルの上にバケツで冷えたバドライトがあるだけ。でも旦那は大興奮、奥さんは「もしかしてバドライトを乗せただけ?」と番組MCに聞き、彼は「正にその通り!仲間が集うには最高のセッティング!」と答える。その後、仲間たちも入って楽しげに過ごす中、ちょっと戸惑い気味な笑顔を見せる奥さん。庭にも粋な計らいが…
 ・ポイント: 最近こちら米国でもリフォーム番組が人気で、それを逆手に取った見事なパロディでありながら、例年話題になる「おバカで面白いバドライトのCM」という期待に低制作費で応えてくれました。

もちろん、今年もものすごい制作費をかけたと思われるものもありました。以下ご参考までに:
・コカコーラ(同25位): 未知の世界での戦い、迫り来る無敵のドラゴンに対抗する方法は・・・
・KIA(同39位): レベルがどんどん上がっていくKIAの新車の取り合い、勝ったのは?
・クライスラー(同44位): あのエミネムを広告に起用、ということで事前の話題はかなり高かったと思います。
・モトローラ・モビリティ(同47位): アップルの有名なCM「1984」をシリアスにパロディにし、iPad一辺倒の世界を風刺するその姿勢は買いたいんですが…
・リプトン・ブリスク(同50位): こちらもエミネムを起用、クレイメーションの彼に「何で俺はCMに出るのが嫌いなのか」を語らせるんですが…?
・ベストバイ(同53位): オジー・オズボーンとジャスティン・ビーバーの共演、ということで事前の話題は一番だったと思います。

あと、別の意味で話題となったのが以下の二つでした。
・毎年、確信犯的な俗悪系CMでわざと煽ってサイトを覗かせるという手法を取っているGoDaddy.com、今回の2CMは全61CM中52位と59位、となり、また世の中的にも話題にならなかったという事実が話題になった皮肉な結果に
・日本でも何かとお騒がせなデジタルクーポン会社、グルーポンの広告(同41位)がチベット問題を軽く取り上げすぎ、という批判で騒がれる

とはいいつつも、これだけそのCMが話題になる番組が毎年ある、ということ自体はマーケターとしてはとても羨ましいことかもしれません。
さて、皆さんのお気に入り・評価はどうだったでしょう?

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