au by KDDI/EZ着うたフル/「仲間由紀恵withダウンローズ」篇

[CM内容] http://www.kddi.com/ad/index.html (このサイト内の「CMギャラリー」をクリックし、auのコーナーからこのCMを選ぶ:ちなみに15秒バージョンしかまだアップされてません)

 ・携帯電話、auの着うたの最新CM。

 ・仲間由紀恵を継続起用しているが、今回は彼女が「仲間由紀恵withダウンローズ」という架空の音楽ユニットのメンバーとなり、自分たちの新曲をフルバージョンで着うたとしてダウンロードできるのだ、ということをビデオメッセージ風に語っていく。

 ・設定は、TBSが土曜日深夜にオンエアしている音楽番組「カウントダウンTV」の、ゲストライブ前にアーティストが楽屋や廊下のようなところでカメラに向かってしゃべる、というような雰囲気を持たせるため、彼女が前でその後ろにユニットのメンバーの男性二人が座る、というシンプルこの上ない画面で、
  仲間   「こんばんわー、仲間由紀恵withダウンローズでーす」(ユニット名のところは男性も声をそろえて)
  仲間   「今回、私たちの新しい歌が、auの着うたで一曲丸ごとダウンロードできるようになりましたぁ!(携帯を見せながら)」
  メンバー 「(携帯を持ちながら) はくしゅー!パチパチパチ」
  仲間   「(実際にダウンロードをしている様子、メンバーに向かって) 早いねえコレ。もうダウンロードできちゃった?」
  男性ナレ 「携帯一つでダウンロード。au着うたフル」
  仲間   「それではダウンロードしてください。」

・このあと場面がスタジオに変わり、彼女たちが歌い始めるような設定で曲のイントロが始まる。いよいよ歌い始めるか?というタイミングで、
  仲間   「(スタッフに向かって) あのー、本当に歌うんですか?」
というオチ。

[広告戦略(予想)]

<CM制作の背景>

 ・携帯電話の機能での競争も激しく、新しさがなければ新規加入や契約継続が難しい状況において、auは他社にはないユニークな機能や携帯のデザインを提供し、月間の新規加入者数でドコモを抑えて1位、という状況を続けている。

 ・その中で、安定した人気を誇る「着うた」も、サビの部分くらいしかダウンロードできない、ということがユーザーから不満点としてあがってきていたため、今回新たに一曲丸ごとを短時間でダウンロードできるようにしたサービスを始めた。それをターゲットに対して効果的に、できれば低予算で告知したい。

<CMのターゲット>

 ・コアターゲット: 競合他社の携帯ユーザー、およびauの現ユーザーで着うたを積極的に使っている人

 ・セカンダリーターゲット: 着うたに興味がありながらも、まだ試していないauユーザーおよび競合ユーザー

 

<CMで最も伝えたいこと>

 ・auの着うたフルは、一曲丸ごとを短時間でダウンロードしてしまえるスグレモノのサービスである。

<ブランド戦略>

 ・物理的ベネフィット: 自分の好きな歌を一曲丸ごとダウンロード可能、着信時だけでなくいつでも聴きたいときに何度でも聴ける

 ・心理的ベネフィット: 携帯がもっと使えるパートナーになる、持ち歩くのがもっと楽しくなる

 ・サポート:  短時間でダウンロードが可能、高音質ステレオ、曲の一部分だけを着うたに指定できる、外部メモリにも記憶させられる

 ・トーン&マナー: ライブ感のある、ワクワクする、楽しい、最先端の

 

<広告アイディア>

 ・音楽がより楽しく聴ける、ということを伝えるために、その音楽を作っている人たちもそのことに対してとても喜んでいる、という形式をとる。

 ・CDTVなどで最近よくアーティストが自分の曲やそれにまつわる話などをビデオメッセージとして伝える、ということが行われているため、これを利用し、アーティストも一曲丸ごとダウンロードを喜んでいる、というような内容のCMにする。

 ・ただし、ターゲットに人気のアーティストを起用する、というのは契約料もかなりかかり、また通常の曲のプロモーションCMと勘違いされかねないため、現在契約している仲間由紀恵を使い、彼女を中心とした架空の音楽ユニット「ダウンローズ」を作り上げ、そのユニットがビデオメッセージの形式でサービスの内容を伝えていく、というストーリーにし、注目度をあげ、話題性を狙う。

 ・また、最後に実際に歌い始めのシーンを入れて視聴者に仲間が歌う、という期待感を持たせながら、仲間に「本当に歌うんですか?」と言わせることで彼女の持っているオトボケ的な面白さを見せ、視聴者に笑ってもらうことでより一層話題になる、口コミで広まることを狙う。

 

[出来上がったCMの評価(個人的)]  ★★★★☆ (満点:★5つ、☆は0.5点)

 ・いやー、よくできています、コレ。

 ・一曲フルにダウンロードできる、というベネフィットを、アーティストのビデオメッセージという、誰もが良く知っていながら誰も使っていなかった「素材」を利用して見事に料理した、というCM。

 ・このCMの前に作られた、テレビショッピング形式の「auダブル定額ライト」もその設定の発想と徹底したパロディーにかなりオオッ、と思わされていたんですが、このダウンローズ、というアイディアは、より低予算でありながらも(テレビショッピング形式のヤラセのような)イヤ味を感じさせない設定だし、会話の自然な感じ(二人の男性も結構いい味出していて、本当のバンドメンバーみたい)からも話の内容、つまり一曲丸ごとダウンロードできること、がすっと頭に入ってくる。

 ・しかも、最後に期待させながらも「本当に歌うんですか?」と仲間に言わせることにより、笑いとともにそのアイディアに対する「許せる」感を強めさせ、キレイにCMをしめる、という効果をもたらしている。(ちなみに彼女、ってアルバムも出しているから、本当は歌えるんですね!?)

 ・ということで、そのアイディアのスマートさと、仕上がりの上手さ(お金はかけないけど安っぽく仕上げていない)など、お見事、という意味で★4つ半、です。「やられた!」までは行かないのでその分★半個マイナスなんですが、個人的には大好きなCMです。今後もauのCM制作陣には期待してます!

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