Carl’s Jr./スパイシーBBQバーガー/「That’s Hot」篇(海外)

[CM内容] http://www.adage.com/shared/includes/spotwin.html?vid=carlsjr-thatshot05.asf&type=sow (AdAgeの「今週の注目スポット」より:期間限定ですのでご注意を)

 ・アメリカのハンバーガーチェーン、カールズ・ジュニアの新しいバーガー、スパイシー・バーベキュー・6ドル・バーガーのCM。

 ・日本でも有名な、あのパリス・ヒルトンを起用し、大きな車庫の中で彼女が車を洗う、という設定なのだが、彼女が着ているのは露出度満点(?)の皮製の水着のような服で、自分自身も泡まみれになり、ずぶ濡れになりながら車を洗い、洗い流したあとこのハンバーガーにかぶりつく、という、やたらセクシーなんだけど訳のわからない内容。音楽も、ビジュアルにあった、女性ボーカルのものが全編に流れ(歌詞は「私はいつでもパリスが好き」といったもの)、ナレーションはない。

 ・最後に、商品名が出たあと、「これは(とても)ホット。」というスーパーが入る。

 

[広告戦略(予想)]

<CM制作の背景>

 ・夏に向かって、スパイシーなバーガーを新しく発売することになった。しかし、この時期は競合各社ともこのスパイシーバーガーを出してくるため、より印象に残る、短期間で多くの人に認知されるような、話題になるCMを制作したい。

 ・また、価格も6ドルと通常のものに比べて高い設定であるため、それを許容できるようなイメージも付けたい。

 

<CMのターゲット>

 ・コアターゲット: ハンバーガーのヘビーユーザーで、スパイシーな味が好きな人(=男性がメイン)

 ・セカンダリーターゲット: 普段はあまりハンバーガーを食べないか、他社のハンバーガーのロイヤルユーザーだが、たまになら新しい味のハンバーガーを食べてもいいかな、と思っている人

 

<CMで最も伝えたいこと>

 ・カールズ・ジュニアのスパイシー・バーベキュー・6ドル・バーガーは、火傷するくらい「ホット」だ。

<ブランド戦略>

 ・物理的ベネフィット: スパイシーでありながら高級食材にこだわっている

 ・心理的ベネフィット: ドキドキするくらいの気持ちになれる

 ・サポート:  カールズ・ジュニアが自信を持って発売するものであること

 ・トーン&マナー: ホットな、ドキドキの、セレブな

 

<広告アイディア>

 ・夏である、という季節がもたらす開放感と、スパイシーな味でちょっと高級、ということを、他社と差別化してイメージ付けていくことが今回の一番の課題である。

 ・よって、まずその高級感、というところから話題のパリス・ヒルトンを起用し、彼女がとてもホットである、ということを見せながら、そのホットな彼女のお気に入りのハンバーガー、という位置づけを狙う。

 ・ホットなパリス・ヒルトン、を表現するため、彼女のセクシーな面を強調する。また、ターゲットが男性である、ということから、車と女性のカラミにはそのセクシーさを印象付けられやすいと考えられるため、彼女が愛車を自分と一緒になりながら洗い、最後に肉体的にも精神的にも満足しきった表情を見せながらスパイシーバーガーにかぶりつく、というワイルド感を出し、高級でありながらホットだ、という商品の特徴を比ゆ的に見せ、しかも話題性を狙う。

 

[出来上がったCMの評価(個人的)]  ★★☆ (満点:★5つ、☆は0.5点)

 ・思い切りあきれながらも、まあここまで徹底できればたいしたもの、という感じですね。

 ・商品とは全く関係のない設定、唐突な食べのシーン、単なるエロじゃないのと思わせる内容、と、本来はこういったセクシーモノにうるさいアメリカでここまでのものを作ってしまう、という確信犯的な作業は、ある意味すごい。

 ・実際にやはりオンエア後にアメリカでかなりの議論を起こした問題作、として話題になっている、という事実も、まさに作り手側の思うツボ、なんでしょうね。しかし日本でこういうの作ったら大変だろうなあ。

 

 ・ちなみに、競合会社の一つであるウェンディーズが、同じスパイシーバーガーのCMで、「あまりにもスパイシーなのでハンバーガーを置いたところだけ床が抜け、地面にもぐりこみ、最後に地獄まで落ち、悪魔が食べようと触ったらそのホットさに『熱い!』と手をどけてしまう」という、わかりやすいけど結構面白いCMもあります。この時期の恒例、なんでしょうね、アメリカでは。

 ※ウェンディーズのCM http://www.adage.com/shared/includes/spotwin.html?vid=wendys-hole05.asf&type=sow

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