実際の作品は、期間限定(これから1-2週間程度?)ですが、カンヌのサイトで見ることができます。
・下記6-7 http://www.canneslions.com/winners/film/win_2_1.htm
・下記8-9 http://www.canneslions.com/winners/film/win_2_2.htm
リストは、作品名(仮のものもあり):クライアント(国)、商品名、広告会社の順。
また、リストの後の星は私の勝手な評価(好き嫌い?)です。★ひとつ1点、☆ひとつ0.5点。
★5個で満点(「やられた!」)、★4つは「すごい!」、★3つは「なかなか。」、★2つは「これで受賞作?」、★1つは「おかしいんじゃない?」てな意味ですな。
6) 『Sound of Summer』: Mercedes-Benz (Germany), Mercedes Convertibles, Springer & Jacoby Werbung (Germany) ★★★★☆
→ベンツのコンバーチブルの広告。エンジンの音をグラフ化(?)してできるモノクロの線の凹凸が、次第に車の窓から見た景色の線画に変わっていきます。最後のスーパーは「夏を聴こう。ベンツのコンバーチブルで」=コンバーチブルなら外の音がよく聞こえますよ、という話。
※いやー、美しいです、これ。肝心の車が出てこないんですが、それはベンツだからできる、まさに横綱相撲。
7) 『Counterfeit』: Mini (US), Mini Cooper, Crispin Porter + Bogusky (US) ★★☆
→世の中にたくさん出回っているコピー商品。ミニ・クーパーにもいかがわしいコピー商品がある、というのを、半分おふざけで見せています。一見して別物とわかるごっつい車(車体のラインだけミニと同じ)とスラロームをしたり、衝突実験をしたり。
※アメリカ向けのCM、ということで、本当にコピー商品撲滅を狙ったものではなく、笑いを取って話題を狙う、という種のものだと思いますが、金賞に値するほどの出来かなあ・・・
8) 『King Kong』: Ford Sales & Service (Thailand), Ford Ranger Opencab, JWT (Bangkok) ★★★☆
→荷物を積んだフォードのトラックを道に止め、用を足している男性の背後から巨大な手が現れ、車ごと持っていってしまう。それはキングコングで、フォードは彼にとってミニカーのおもちゃとなり、すごい勢いで走らせて山にぶつけたりしますが、その時・・・。最後のナレーションは、「人間の世界では、タフにならなければらなない。」
※アジアの広告賞「アド・フェスト」で日本の味の素スタジアムのCMとグランプリを争った作品。あちらでも金賞でしたが、タイにもこのくらいのスケールの大きな作品が出てきたなあ(割合と身近な設定で笑わせるものが多いので)、と思わされたCM。オチがいまひとつか?
9) 『Save or Delete』*: Olympus (Europe), Digital Camera, Springer & Jacoby International (Netherlands) ★★★☆
→今回の審査でかなり人気があった、欧州オリンパスのデジカメのCM。”Red-eyed Baby”, “Cropped Tourists”, “Distorted Dogs”, “Blurry Boy”の4バージョン。赤目の赤ちゃん、頭の一部が切れてしまった旅行者、顔が以上にでかい犬、陽炎のようにピントが合わない男の子、といった、カメラを撮ったときに起きがちのトラブルが実際に世の中に存在したら、という設定でそれぞれのストーリーがサスペンス映画のようなトーンで展開します。最後のコピーは、「あなたはこのXXX(赤い目の赤ちゃんなど)をセーブしますか(=助けますか、という二重の意味)、それとも削除しますか?」「あなたが覚えておこうと思って選択したもの」。
※似たようなアイディア(トラブルが実際の世の中に存在したら、という設定)のCMを以前どこかで見たような気もするのですが、これはそのトーンをサスペンスとかホラーのように仕上げた、ということで成功しています。ありえないとわかっていてもちょっとした不安感&恐怖をも感じさせるのは、すごい。